施術者の名称

 整体を生業にする者は自らを整体師・整体士・整体療法士・整体指導者などと自称しています。 整体士の一部からは、法制化による国家資格化を期待する意見もあります。
なお、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師柔道整復師には3年間の専門教育と国家試験による免許取得が義務づけられています。 そのため、これらの国家資格保有者などからは、資格不要職業である整体士が正しい知識も持たずに有資格職業であるかのように振舞って医業類似行為や擬似治療行為を行うのは国民の利益に反するとし、その禁止を求める署名運動も起きています。
しかしながら、各流派・会派・団体・企業・店舗間で、その理論や思想の違いがあり、組織的な統合の合意がされていない事、国家資格化に伴う各整体団体の利益損失、各整体スクールの利益損失、一般には柔道整復師ならびにあん摩マッサージ指圧師との違いが分かりにくい、整体術そのものが医学的・科学的に根拠が乏しいなどの理由から、実現性はありません。
整体士が、医業類似行為を業として行う事に対して、1960年最高裁判所昭和35年1月27日大法廷判決が「憲法22条は何人も公共の福祉に反しない限り職業選択の自由を有することを保障している」と判示したことを根拠に、合法であるとする主張があります。 しかしながら、この判決は、医業類似行為を客に行った被告人が、無資格診療を行ったとして刑事訴追された刑事事件に関する判決である。 同時に、「人の健康に害を及ぼすおそれのある業務行為に限れば、法律でこれを禁止することは合憲である」とも判示しており、仙台高等裁判所に事件を差戻しています。 そして、仙台高等裁判所は、当該事件の医業類似行為が「人の健康に害を及ぼすおそれのある業務行為」であることを認定して有罪判決を維持し、再度上告された最高裁判所で有罪判決が確定している(それぞれ、仙台高裁判決昭和38年7月22日、最高裁判所決定昭和39年5月7日)。 にもかかわらず、今日も整体ビジネスが公然と行われているのは既得権益によるものである。
これに対し、主に整体士の側からは、「整体はそもそも医業類似行為にはあたりません。 仮にあたるとしても、人の健康に害を及ぼすおそれがありません。 したがって、整体は法律に違反しない。」と主張されています。 しかし、主に国家資格者であるあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師や医療従事者からは、「骨折や脱臼、神経麻痺などを起こすおそれがあります。 また、悪性腫瘍などの重大疾患が隠れているような場合に、医療機関への受診遅れにもつながりかねません。 したがって、整体は『人の健康に害を及ぼすおそれがある医業類似行為』であり、無資格でこれを行うことは違法で、国民の利益に反する。」と懸念されています。
なお、国家資格である鍼灸、按摩マッサージ、指圧、柔道整復を教育する学校では、整体術は明確な体系化がなされていないため教えていません。